こんにちは。
9月13日(金)~15日(日)まで、2泊3日で
全国学生YMCA夏期ゼミナールに参加してきました。
今回は第50回目で、会場は静岡県御殿場市にある
参加者は学生18名、シニア20名、講師・スタッフ・関係者12名の
合計50名でした。
今年のテーマは「小さな私、弱いあなた~暴力と戦争の世界を生きのびるために~」です。
学生YMCAとは、YMCA活動の中で、全国の大学・学生寮または専門学校を拠点とした学生中心の活動です。全国には10の学生YMCA寮を含む34の大学にグループがあり、約450名の学生が参加しています。
夏期ゼミは、毎年のテーマに合わせた講演やワークショップ、全国から集まった学生同士、学Yシニアとのディスカッションや、発題を行うプログラムです。
テーマ講演①はウクライナから日本に来た、ロベルトさんのトークセッションです。
日本に来ることになった経緯や日本で感じた苦悩、家族と過ごす当たり前の日常の尊さなど19歳の青年から率直な言葉で語られました。
また、日本YMCA同盟の横山由利亜さんから、ウクライナ避難民の現状や支援についてお話いただき、戦争が長期化したことにより、日本にいるウクライナ避難民の方の経済的不安や、孤独感、課題などが共有されました。
わたしは、世界YMCA同盟のVision2030の紹介と
Change Agentの活動報告を
学生YMCA時代から現在の横浜YMCAでの活動に繋げて
紹介しました。
テーマ講演②は「教育現場と暴力」というテーマで、
学生YMCAシニアの新林智子さん、
菅沼慎一郎さん、大阪YMCAスタッフの小林直樹さんから、暴力の問題、そして現代の若者が抱えるメンタルヘルスに関して発題をいただきました。
ディスカッションでは、いじめる側、加害者のケアについて話したグループや、親でも教師でもない「異質な他者」としての大人の存在について議論したグループもありました。
夕方のセッションでは、学生が自分が考えたいと思ったトピックに対して自由に発表し、参加者と話し合う、「自主ゼミナール発題」が行われました。
日韓交流プログラム、広島YMCAインターナショナルピースセミナーなどの運営メンバーによる報告もあれば、「社会主義とウェルビーイング」、
「能面から見る能楽の世界」、「正義の人々 読書会」など
学生の知性・探求心が存分に表現された発題もありました。
聖書研究では洪伊杓(ホン・イピョ)牧師から
「創造と破壊 自らの殻を破って」というテーマで
イノベーション、社会を良くするためにはときとして既存の価値観を壊す「破壊」が行われることを聖書から学びました。
最終日の記念礼拝では「わたしは何者でしょう」と題して、
長倉望牧師から出エジプト記で自分のアイデンティティーに揺らいでいた
モーセの話から、生きていく中で「自分とは何か、何ができるのか」
を問い続けることについてのメッセージをいただきました。
学生YMCAの聖書研究や礼拝では、クリスチャンの方もはじめて聖書を読む方も
いっしょになって、自由に読む、語ることができる場です。
「これってどういうことですか?」「どうしてこういう行動になるんですか?」
とノンクリスチャンの学生からも素直な疑問や感想が投げかけられ、みんなで考えることができます。
発言の自由があり心理的に安全で受け入れられる雰囲気は
学生YMCAの特徴であると思います。
YMCA東山荘での過ごし方ですが、
食事は食堂でビュッフェ形式なので、食べ盛りの大学生もおなかいっぱい
美味しい料理を食べることができます。
休憩時間は参加者と話したり、
東山荘内を散歩してリフレッシュすることができます。
ウクライナユースのロベルトさんは、
自分で3Dプリンターで作ったキーホルダーなどを
参加者に紹介していました。
長倉牧師から太鼓を習う学生もいました。
学生YMCA夏期ゼミナールは、答えの出ない問題に対して、
みんなで真剣に語り合うことができる場です。
知的好奇心を刺激され、初めて会った人とでも自分の価値観の根幹に触れるような
深い議論になることもあります。
まだ夏期ゼミに行ったことがないという
学生YMCAメンバーの皆さんにはぜひ一度経験してみていただきたいです。
今回は横浜YMCAスタッフとして、学生YMCAシニアとして、
またChange Agentとして
歴史ある夏期ゼミに参加できたことを嬉しく思います。
ありがとうございました。
(横浜中央YMCA英語学校 坂地)