12月10日(土) 、『The 5th Youth Conference hosted by Yokohama YMCA』 ~寿町スタディーツアー~ を実施しました。
5回目となる本イベントは、ユース世代(10代〜20代)がさまざまなテーマについて学び、考えるイベントです。
イベントの企画・運営も、ユーススタッフとリーダーが担っています。
第5回は初の対面のみでの開催となりました。
参加者24名は、横浜中央YMCAから徒歩15分の場所にある、かつて「日雇い労働者の町」と言われた「寿町」に赴きました。
寿生活館に着くと、35年以上にわたり日雇い労働者や路上生活者支援を行っている近藤昇さん(寿日雇労働者組合)と、過去に4年間の路上生活経験のある山本貴文さん(寿炊き出しの会)にお話を聞きました。
近藤さんのお話では、寿町で炊き出しを始めることになった経緯や「ホームレス」とは何なのか、生活保護受給のことなどについてお話しいただきました。
「路上に出ることを選択する人はいない。他に選択肢がないから路上に出ざるを得ない」
「一人ひとりに尊厳があることを忘れないでほしい」などと力強いメッセージをいただきました。
山本さんは、路上生活になった経緯や、4年間の路上生活の中での辛かったことや嬉しかったことなどさまざまな出来事について赤裸々にお話しくださいました。
最後の最後に助けを求めて飛び込んだ市役所で、「まだ若いんだから頑張って」と冷たくあしらわれ失望した話。
駅のホームで、目的があって電車に乗る人々と、目的もなくベンチに座っている自分を比べて虚しさが込み上げてきた話。
しかしそれを乗り越え、「あの4年があったから今の自分がある」と誇らしげに語る山本さんの姿がありました。
その後、4つのグループに分かれ、寿町をよく知るボランティアの方々にガイドツアーをしていただきました。
寿町内を歩くと、ドヤ(簡易宿泊所)や高齢男性の多さに驚きます。
同時に、町の活気や人と人の温かいコミュニケーションなども感じ取ることができました。
最後に、今日の気づきや感じたことをグループで共有しました。
参加者からは、
「路上生活者も、まったく同じ人間であって、ただ歩んできた道が違っているだけだと思いました。」
「恵まれた環境下にある私たちも、寿町から得られるものがあると思うので、お互い良いところを吸収していきたいと思いました。」
などの感想が聞かれました。
「ホームレスは怖い」「寿町は危ない」と思っていた私たち。
しかし、路上生活者も「いつ襲われるか分からない」と恐怖におびえていたことを知りました。
まずは私たちが、路上生活者について知り、歩み寄ることで、山本さんがおっしゃっていた『理解と共存』のある社会に近づくのではないでしょうか。
今後も、YMCAは、ユース世代の社会参画につながるようなイベントを積極的に企画していきます。
みなさんのご参加をお待ちしています。
横浜中央YMCA 山田 坂地 諏訪
***
このプログラムは、横浜YMCA国際・地域協力募金によって実施いたしました。
また、参加者からいただいた参加費は、寿町の炊き出しの運営を担う「 日本基督教団神奈川教区寿地区センター」へ寄付いたしました。
過去の様子はこちらからご覧ください。